土って何色? 土で絵を描こう!

土って何色?

赤、オレンジ、黄、グレー、茶、白、紫、ピンク、緑、‥‥。これ、何の色だと思いますか?

実は、私たちの足もとにある土の色。「えー、そんな色の土、見たことない!」というかもしれないけれど、よーく見てみると、あなたの家や学校の近くにもさまざまな色の土があるはず。ちいさなシャベルとビニール袋を持って、どんな色の土があるか見つけてみませんか?

準備するもの
  • ビニール袋 数枚
  • ちいさなシャベル(スプーンでもOK)
  • 乳鉢&乳棒(ボール&すりこぎでもOK)
  • 茶こし(大きめのもの)
  • 絵皿(耐水で内側が白色ならOK)
  • デンプン糊(木工用ボンドでもOK)
  • 画用紙
どこに見つけにいこう?

さまざまな色の土は、山奥や秘境などの特別な場所でなく、あなたのすぐ足もとにもあります。なのでまず、庭や家の近くなどで見つけてみてくださいね。そしてその後に、少し違った場所(雑木林や公園、畑や田んぼ、川や海の近くなど)に見つけにいってみましょう。地形や自然環境が違うと、土の色も違っていたりしますよ。

同じ場所の土でも、深さによって色が違います。一番見つかりやすいのは、土手や斜面などの地層が見えているところ。危険がないように注意しながら、地層をよく見てみると、同じ断面でも色の違う土が見つかるはずです。

土絵の具に必要な土は、1色あたり一握りほど。環境を壊さないように必要最低限の量にしましょう。私有地や公共の場所では、持ち主などに許可をもらってくださいね。

土を乾かそう!

見つけた土は、古新聞の上に広げて乾かしましょう。

直射日光がよく当たる場所でなるべく土を薄く広げると乾きやすいよ。広げた新聞が風で飛びやすいので、四隅に石など置いて重石にしてね。天気にもよるけれど大体1時間位で乾きます。

土絵の具をつくろう!

土が乾いたら、1色ずつ乳鉢に入れて土を砕いていきましょう。乳鉢がなかったら、ボールとすりこぎを使ってもOK。土が細かくなったら、茶こしで土をふるってゴミや木片などを取り除き、粒の大きさを揃えます。茶こしでふるった土を絵皿に入れると、色が鮮やかに見えてそれぞれの土の色の違いがよくわかるので、見つけた土を並べて比べてみてね。

ふるった土を入れる絵皿は、内側が白ければアイスクリームのカップなどでもOK。ただし、絵を描くときに水で薄めた糊を入れるので、耐水性のもの。 見つけた土を並べて比べてみるときには、色だけじゃなくて、触り心地も確認してね。サラサラ、ふわふわ、ざらざらなど、見ただけじゃわからない感触の違いに気づくはず。

絵を描こう!

いつも使っている絵の具は、どんなふうにつくられているか知っていますか?

絵の具の種類によってそれぞれの材料は違いますが、基本的には、色の素(顔料)と、紙に色を固定するためのもの(接着剤)と、その2つを混ぜるもの(溶剤)でできています。土絵の具も同じで、色の素となる土に、糊(接着剤)と水(溶剤)を混ぜるとできあがり! 私たちがよく使っているのは、昔からあるデンプン糊。主に植物などのデンプンからつくられているので、こどもたちでも使いやすく、市販のものもいろいろあります。この糊に水を混ぜて(水の量によって描き心地が違ってくるよ)、指や掌全体を使って絵を描いていくのですが、土絵の具は普通の絵の具よりも色の粒が大きいので、筆じゃなくて素手で描くのがオススメ。上手に描こうと思うより、土絵の具の感触を楽しみながら、大地の色の豊かさを感じてね。

土の色から見えてくるもの

あなたの家の庭やまわりには、どんな色の土があったかな?

色が違うと、育ちやすい植物が違ったり(沖縄では、北部にある鮮やかな赤土は果物が育ちやすく、南部に多いベージュの土は野菜がよく育ちます)、つくれるものが違ったり(陶磁器や瓦や土壁など)、その土ができた年代や気候が違うことがわかったりします。

また、同じような色の土しかないと思っていても、実はすぐそばにまったく違う色の土があることも多いのです。色の違う土がすぐ近くにあるのは、植生や気候の変化、地殻変動や火山の噴火など、その場所や地球の記憶が土の色に刻まれているから。土の色を手がかりに、歴史をたどっていくこともできるかもしれません。

そうそう、土にはいろいろな色があると書いたけれど、実はなかなか見つからない色もあります。その色は、みんながよく知っている色。さて、何色かな? いろんな場所に土を見つけにいって、それでも見つからない色があったら、きっとその色。何色かわかったら、ぜひ教えてね。