元気な脇芽
庭で野菜を育てるのは楽しい。「つくらし」の庭でもいろいろな野菜を育てている。
どうせ育てるならば、たくさん、そして立派な野菜を収穫できるようにと、野菜のお世話をいろいろする。そのお世話の1つが「脇芽かき」だ。しかし現在ではこれには賛否両論があり、取らなくてもいいという説もあるらしい。「つくらし」では脇芽かきをしたりしなかったり、いろいろな方法で育てて野菜の成長を観察している。
とはいえ、トマトなどは脇芽をかかないと枝が繁りすぎてジャングルのようになってしまい、実がどこに付いているのかわからくなるし、風通しも悪く害虫の繁殖につながる。なので、できるたけ脇芽は摘むようにしているのだが、とても元気に成長している脇芽を見ると、そのまま捨ててしまうのはもったいないと思い、挿し木をしてみることにした。
トマトの挿し木はとっても簡単
脇芽はすぐには摘まずに10~12cm位に伸びるまで待ち、茎の根元の方で切る。切り口の断面が広くなるように斜めにカット。鋏よりもカッターナイフのようなものを使った方がきれいにいく。
葉っぱもたくさんあると蒸散作用で大量に水を吸ってしまうので、大きな葉っぱは半分位切り落とし、水に挿す。数時間後、葉っぱがしおれることなくピンと伸びていたら、水の吸いあげに成功した証拠、第一段階はクリアだ。その枝を明るくて風通しのいい室内に置いて、成長を見守ろう。水は減ったら足して、汚れたら取り替える。
一週間位すると根が出てくるので、そうしたら鹿沼土だけを入れた育苗ポッドに移植。育苗ポッドは野菜の苗を購入したときに使われていたものでいい。水切れを起こさないように注意して、毎日しっかり水を与える。
更に一週間も経つと、根っこは長く立派に成長してるので、培養土を入れた同サイズの育苗ポッドへ移植。茎が伸び、葉がついてきたら、畑やプランターに移植する。
「つくらし」では、現在数本のトマトとナスを栽培しているが、それらは3年前の春に購入した苗を接し木→接し木で繋いで育て続けているものなのだ。どこまで続けられるか楽しみにしている。
ここで少しだけ注意
販売されている苗のほとんどが品種改良をされており、そこには生産者の権利が発生している。挿し木で増やした苗にもその権利はかかってくるので、他人に販売することはもちろん譲ったりするのも違反になる。最悪の場合は犯罪行為とみなされることもあるので注意しよう。苗を購入した自分だけで楽しむ分には問題はない。自分だけで楽しむようにしよう。
いろいろな方法がある
さて、ここで紹介したのは挿し木のやり方は一つの方法にすぎない。
水を吸い上げたのを確認したら、すぐに鹿沼土のポッドに移し替える方法もあるし、そのままプランターに植える方法もある。時期も梅雨時期がいいというのもあるが、私の実感では水の管理さえきちんとできれば、どの時期でも変わらずできた。もちろん「つくらし」は温暖で湿気の高い気候の地にあるからというのもあるだろう。その地域、土壌の質によって違ってくる。いろいろな方法を試したいるし、みなさんもいろいろなやり方を試して、自分なりの方法を見つけていくのがおもしろいと思う。
いろいろな植物でやってみよう
またトマトだけではない。いろいろな植物でも挿し木をしてみよう。難しい種類もあれば、簡単にできるものもあるだろう。
ナスは比較的簡単。ただ、水に挿しておいてもなかなか根が出てこない。ネットなどでは早めに土に移植するという方法がよく紹介されているが、水に挿してじっくり芽が出てくるのを待った方が成功率が高いような気がする。
ラッカセイは発芽率が高いのでわざわざ挿木をする人がいないらしく、ネットを検索しても具体的な手法は出てこない。やはり根が出にくいようだが、水に挿してなかなか成長しなくても枯れることもない。気長に待っていると、忘れた頃に根が生えはじめ、挿し木ができる。土に移植しても最初は成長が悪いが、夏を迎えると普通に成長していく。
ステビアは、ステビアシロップをつくるのに葉っぱがたくさん必要なので、苗がある程度育ったら挿し木に挑戦する。ステビアを含めたハーブ類は比較的簡単に挿し木ができる。苗をたくさん購入する必要はなさそうだ。挑戦してほしい。
これも挿し木?
お店で買ってきた後のパイナップルも頭に生えてる葉の部分から根が出る。ここまでくると挿し木の範疇に入るのかどうか疑わししくもある。
商品によっては販売前にパイナップルの成長点がカットされているものもあるらしいので、葉の中央部が深く抉り取られていたら要注意。水に挿しても根が出るまでに数週間はかかるので、気長に付き合う気持ちで。水が汚れてきたら取り替える。根が生えてしまいさえすれば、最初は育苗ポッドに、葉が伸び出したら、プランターや路地に移植しよう。