こども工具セットをつくろう

子ども工具

多くの木工具は、大人のサイズに合わせてつくられている。こどもが使うには大きすぎて、力を入れにくく使いにくい。
使いにくい工具を使っていては、作業をうまく進められないことがある。そんなことで失敗体験を重ねて「モノづくり」に失望してしまうのはつまらない。
こどもたちがモノづくりに興味を持つのは、いろいろなことをやってみたい挑戦したいと思い始める小学校中学年の頃。その頃の体格に合った工具があれば、苦労したり失敗する可能性も下げられ、モノづくりの楽しさを感じられるこどもたちも増えるのではないだろうかと考え、小さめの市販の工具や「つくらし」オリジナルのこども工具で木工セットをつくってみた。

ノコギリ

市販のノコギリの持ち手は、思いのほか長い。これは、作業によって材の切断位置が変化するので、持ち手の握る位置を調節して切りやすい位置で作業を進められるようにということだ。

子どもノコギリ

が、ノコギリを使い慣れていないこどもたちにとっては、この持ち手の長さが作業の邪魔になる。最初は短い持ち手のものがいい。
また、刃の長さも腕のストローク幅に合ってないと使いにくい。大抵のノコギリでは、こどもには大きすぎるのだ。
持ち手も刃の長さも短いノコギリを用意した。

ノコギリガイド

木材を直角にまっすぐに切断できるだけで、気分はとてもよくなる。
どんなに素敵なものをつくろうと計画しても、木材を直角に切れないと、うまく組み立たなかったり、残念な感じにできあがってしまう。

ノコギリガイド


ノコギリで直角にまっすぐに切断するには、努力と練習だという意見もあるだろう。それも大切なことだとは思うけど、ちょっとした治具があれば、簡単にできてしまう。
「つくらし」特製ノコギリガイドを使えば、特別な技術がなくても真っ直ぐ切断ができるようになる。
こういう治具の使い方を慣れておくといいと思う。

スケールとマーカーゲージ

作業をしていると、何箇所も同じ寸法にマークする作業が出てくる。

その都度メジャーでマーキングしていては、少しずつ寸法がずれてしまったりする。作業に慣れてくると、必要な寸法はマーカーゲージに記憶させて、罫書きをするようになる。
この作業は、こどものうちからやっておいた方がいいと思う。

サンダー

紙やすりは便利だけど、使い方に慣れていないとすぐに破いてしまう。ここで紹介するのは、こどもたちにも作業がしやすく、寿命の長い金属製の紙やすりだ。

金属製サンダー

サンダーは、固定して作業できると力を入れやすいので、クランプで机に固定しやすい「つくらし」特製のフレームも用意した。
サンダー面を横側にして作業台に固定すると、直角にサンディングすることが可能だ。

こども電動ドリル・ドライバーとドリルガイド

こどもが電動工具を使うのはどうかと考える人も多いだろう。でも大人になったら必ず使うようになるし、慣れておくのは悪くないと考えている。
ただ、市販の電動ドリル・ドライバーはパワーが大きく重たい。そのまま使うのでは思わぬ怪我につながりかねなく危険だ。そこで「つくらし」では、こどもたちの力量に合わせた電動ドリルドライバーを開発してみた。

子ども電動ドリル・ドライバー

パワーは小さいが回転速度を極力落としてトルク重視にセットしてある。
ビットの装着もこどもでも使いやすいワンタッチのもの。
ノコギリ同様、ガイドを併用することで、垂直に穴をあけることが可能になる。
この電動ドリル・ドライバーとガイドはオプションの設定だ。

既存製品

■クランプ
クイッククランプは、こどもたちにも簡単に使え、固定する力も強いので使いやすいと思う。
一般のスクリュー型のクランプは、締め上げるのに結構力が必要になる。

実は、小学生のこどもたちというのは力の強くなる時期でもあり、力自慢のこどもの力は結構強い。スクリュー型だと、締め上げすぎると工具を壊しかねないことがある。力を緩めて作業することを教える方が大変かもしれない。

■ハンマー・げんのう
一般の道具は、こどもたちには重すぎる。使えないことはないのだが、まだ握力にまで気が回らないことがあるので、力一杯振り下ろそうとすると、ハンマーがすっぽ抜けることがある。これは怖い。小さめのハンマーを用意した。

■ペンチ
ハンマー同様、大きいものだと力が入れにくいので、小さめのものがあるといい。

工具箱

「つくらし」ではここまで紹介したこども木工具セットを収納でき、作業台としても活用できる工具箱を用意している。近くキット化もする予定だ。